(内線電話のベル)
(中野渡)はい
☎(秘書)金融庁の国松長官から つないでくれ
代わりました 中野渡でございます
ご無沙汰しております 長官
はい
金融庁検査…
でございますか?
半沢直樹が 本部の中枢 それもエリートが 営業第二部に栄転して
かつて 5億の融資失敗の 銀行員としての将来を 見事に その汚名を晴らし
今の地位を勝ち取った
(半沢)おはよう よし いつもどおり目標10分 半沢は 飛ぶ鳥を落とす勢いで 行内に その存在感を示すように 全てが順風満帆に思えたが…
(内藤)半沢 ちょっといいか?
はい
まただ
お前にご執心の大和田常務が そういう つきあいを好まないのは さすがに3回目のお誘いだ
そろそろ俺も断り切れなくてな
すまんが
半沢の心の底には
黒い憎悪の火種が 《(慎之助)こんなネジ 《これがあったら必ず立ち直れる》
《融資継続してくれるって 《(大和田)離してください!》
来月頭から
当行において (ざわつく重役達)
もしも そこで 厳しい業務改善命令を そうなれば 銀行の信用は失墜し
経営基盤そのものが 問題は 引当金ですね
もし 引当金を 我が行の経営そのものが 各融資先への与信判断に もう一度 十分に精査してくれ
(岸川)準備期間が たった2週間で (乾)頭取のお力で このままでは通常業務も…
決まったことに あれこれ言っても 今こそ 我々が一枚岩となって
この困難を
どうか ご安心ください
≪(渡真利)緊急の取締役会で 上は (時枝)銀行全体に関わる問題か? おい半沢 聞いてんのかよ?
うん まあ 上で何があろうと (渡真利)はあ~ おっしゃることが違いますね
そろそろ行くわ 伊勢島ホテルに あらあら 法人部のホープ様も 半沢 あんまし飛ばしすぎて 時枝もな
そういえばさ 最近会った? いや こっちに来たとき 結構バタバタしてたから 出向先のタミヤ電機で そうか
≪(渡真利) どう? 今夜あたり 悪い 今夜はちょっとヤボ用がある
あらあら
半沢君は 私は正直 憂いている
12年前の合併は 表向きは 実際に ふたを開けてみれば
主要ポストのほとんどは 我々 旧産業中央の人間は
皆 辛辣な思いをさせられた
常務が たかが常務だよ
頭取の椅子に 我々が
半沢君
私とともに上を目指さないか?
我々の手で もう一度
旧産業時代の威信を
う~ん 金沢の地酒だよ 昔 金沢支店にいたときに 私は ずっと これひと筋でね
≪(岸川)そういえば 確か ほう それは奇遇だねえ
やはり 私と君は 実家は金沢で
半沢ネジという ネジ?
ふ~ん そう
まあ 今は厳しい時代だからね
工場の経営も さぞ大変だろう
しかし まあ 君がこうして ご両親も 父は…
25年前に他界しました
《父ちゃん!》
ああ そうか
君 まだ 中学2年でした
ああ…
君も大変な苦労をしてきたんだね
お電話です
東京中央銀行大阪西支店から
集う精鋭集団といわれる
すでに1年がたとうとしていた
汚名を着せられ
失いかけた半沢だったが
(一同)おはようございます
始めよう
実績を積み
なっていった
ぜひ会食したいと言ってきてる➡
よく分かってるが
今回だけ 俺の顔を立ててくれ
くすぶっていた
世界のどこにもない》
あんたが言うたんやないか!》
金融庁検査が実施される
大きな問題が発覚した場合
受けることになる
揺るぎかねないのだった
積むようなことにでもなれば
揺るぎかねない
間違いがないか➡
どこまで対応できるか…
延期してもらえませんか?
問題は解決しませんよ
乗り切ろうじゃありませんか
中野渡頭取
相当バタバタしてるらしいぞ
(渡真利)恐らくな➡
俺達は目の前の仕事をするだけだ
さすが営業第二部のエース様は➡
呼び出されてるんだ
お忙しいことでねえ
息切れすんなよ
近藤に
祝ってもらって以来だな
あいつさ➡
結構 苦戦してるらしいぞ
久々に飲みにでも誘ってみるか
今の当行をどう思っているかね?
対等な合併だったけれども
旧東京第一銀行出身者が占めて
いらっしゃるじゃありませんか
中野渡さんが座っているかぎり
日の目を見ることはないだろう
取り戻そうじゃないか
やはり酒は この鳶姫にかぎるね
君 飲んだことあるかね?
飲んで以来
君の出身も金沢でしたよね?
縁があるということかな
小さな工場をやっております
立派な銀行員になったことは
きっと心強いんじゃないかな
ちっちゃかったんじゃないか?